スヌーズレンのご紹介
光、音、香りなど様々な感覚刺激を感じる活動、スヌーズレン
スヌーズレンとは

障害を持つ方自身が、自分の選択で、自分自身の時間を持ち、援助者は同じ場で共に過ごす仲間として活動するものです。もともと重度の知的障害を持つ方々とのかかわりの理念として1970年代にオランダにある知的障害を持つ方々の施設で生まれ、発展してきました。スヌーズレンは特別な部屋で行うことだけを指すのではなく、生活全体に取り入れられるものです。その中では、重い知的障害を持つ方々が活動の主役になりやすいように、リラックスして周囲に気づいたり、受け入れたり、探索したりしやすいように環境を整備し、様々な感覚刺激の提供を工夫することもあります。
スヌーズレンの語源
「スヌーズレン」という言葉は、オランダ語の「スヌッフレン(くんくん匂いを嗅ぐ、という意味。環境内のいろいろな刺激の探索)」と「ドゥーズレン(うとうとする、という意味。くつろぎ)」という二つの言葉から創られた造語です。
スヌーズレンの活動を展開する為に

次の三点を中心に、活動を行います。
- 障害を持つ方との活動で、その方自身の活動のペース、人やモノへの反応の仕方をありのままに受け入れ、障害を持たない人も共にその場を楽しみます(人的環境の整備)。
- 障害を持つ方が感じ取りやすく、楽しみやすいように光、音や音楽、いろいろな素材の触るモノ、香り、動きの感覚などの刺激を揃えた環境を作り、提供します(物理的環境の整備)。
- 人と人とが出逢い、互いの感じ方や喜びをより知っていこうとして関係を深めます(関係性の深まり)。
実際には、感覚刺激の受け取りと処理の過程の知識があると利用者の皆さんの行動を理解しやすくなります。
島田療育センターとスヌーズレン

当センターでは、1980年代後半から心理職員を中心に手作りの装置で、重い障害を持つ利用者が現状の力で充分に対応でき、活動自体を楽しむことを目的として、各種の感覚刺激や安全な粗大運動を中心にした活動を始めていました。設備としては、倉庫の片隅やその時期に空いている場所を見つけては、衝立で囲い、エアートランポリン、光るシリンダー、ミラーボール、ウォーターベッド、ベッド型のバランスボード、音楽などを徐々に揃えて、常設の活動場所を作ってきました。
職員の一人が1990年の海外研修でスヌーズレンに出会ったのを契機にそれまでの活動を発展させる形でスヌーズレンとして新たに取り組み始めました。センターの職員向けには、オランダで入手したスヌーズレンのビデオを上映し、理念の伝達を繰り返し行いました。
スヌーズレンは各病棟とデイケアセンターの取り組みに広がっていき、常設の部屋での他、病棟内にスヌーズレンに適していると思われる器具を持ち込み、生活場面での活動としても行われるようになりました。月間の活動計画に織り込んだり、常設の部屋が空いている時には、散歩の途中などにも利用しています。また、ご家族と共に過ごされることもあります。
1996年には、当センターの後援会のご厚意により、現在の設備が揃えられ、「UFO(スヌーズレン)の部屋」として多くの皆さんに利用されています。
写真は島田療育センターにあるUFO(スヌーズレン専用室)の部屋です。
スヌーズレン体験・講習会
スヌーズレンは、障害のある方自身が、自分自身の時間を自分自身の選択で活動できる場を提供することによって、生活の質を高めることを目的としています。スヌーズレンの活動では、リラックスできる環境(室内の刺激と人の関わり方)で、環境内の何かに気づいたり、刺激を受け入れたり、探索したりします。
当センター常設の「UFO(スヌーズレン)の部屋」には、様々な刺激を感じ取ったり、じっくり味わったりしやすいようにご用意しています。
サービス内容と料金(外税)
スヌーズレン体験 | 障害のある方対象です。スヌーズレンのしやすい環境(UFOルーム)でスヌーズレンを体験するコースです。職員がご案内します。 | 50分 5,000円 |
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スヌーズレン室の利用 | スヌーズレンを熟知している方にUFOルームをお貸しします。職員は同席しません。 | 50分 2,000円 |
スヌーズレン講習会 | スヌーズレンの基本的な考え方と活動の実施について学んでいただくコースです。UFOルームの体験、ビデオでの利用者様の活動の様子の解説、ご希望に応じた質疑などを含みます。 | 90分 7,500円 (学生:5,000円) |
お申し込み方法
各サービスは、ご希望日の1か月前までにお申し込みください。
以下からスヌーズレン依頼書をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、下記お申し込み先までお送りください。お申し込みいただいた日程で調整し、郵送又はFAXでご連絡いたします。
お申込み先
〒206-0036
東京都多摩市中沢1-31-1
島田療育センター支援部 宛
TEL 042-374-2101 / FAX 042-374-2089
ご利用日程
サービス内容 | ご利用 曜日・時間 |
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スヌーズレン室の利用 | 第1・3火曜日 10:00~10:50 または |
スヌーズレン体験 | 平成30年度の実施可能な日時
上記日程の10:00~10:50(50分) |
スヌーズレン講習会 | 上記日程の9:30~11:00(90分) |
スヌーズレン活動の紹介
スヌーズレングッズ紹介
中が見えない袋(触って様々な感触を楽しみます)


ボディータオルにゴムひもを取りつけたもの(吊るして動きを楽しんだり、触って楽しみます)

アジアン雑貨店で購入した鈴(吊るして触って音を楽しみます)

フェルトを短冊にカットし、束ねたもの(鈴をつけて振ってみるとステキな音がでます)

音楽が聴ける低反発枕(裏面に穴を開けてデジタルオーディオプレイヤーを挿入しました)


自在に形の変わるループ(まわしてみる、中のキラキラがきれいに見えます)
手づくりグッズをつけたボード(その1)
手づくりグッズをつけたボード(その2)
手づくりグッズをつけたボード(その3)
お風呂でスヌーズレン
大抵の方にとって、バスタイムはほっとできるひとときですよね。
ここでは、1病棟でのちょっとしたバスタイムスヌーズレン~春~夏バージョン~をご紹介します♪
湯船の上と着衣スペースの上に飾りをつけました。
利用者さんは湯船に上向きで入られるので、利用者さんの視線の先に飾りがあります。
飾りに立体感をもたせています。
終わりに
季節の移り変わりをお風呂でも感じて頂こうと、秋には紅葉や銀杏、柿やドングリ、栗を、冬には雪だるまを飾りました。 ささやかな変化ですが、気付いて下さる利用者さんや職員の姿があります。飾りがあることでバスタイム時の優しい会話も増えたように感じています。入浴剤の活用も、素敵ですね。 利用者さんがお風呂で過ごされるのは短時間です。その中で少しでも和やかな雰囲気を感じて頂ける、そのひとときもスヌーズレンだと思いました。 ちょっとしたひと工夫のスヌーズレン、いかがですか?
関連リンク
日本スヌーズレン協会事務局
〒672-8089 兵庫県姫路市飾磨区英賀宮台51