
大人になるとは子どもでなくなることではない
孫4人が時々遊びに来る
4人でよくかくれんぼをしている
この狭い家でかくれんぼをして楽しいのかどうか
そんなことはどうでもよいのだろう
ここに隠れてるって言わないでねと言ってはしゃぎまわっている
この声が何か名付けようのない活力をくれるのは確かだ
この計算も何もないはしゃぎ声
これにいつしか内省が入り、この幸福な時間が二度と帰っては来ないことを子どもはまだ知らない
大人になるとは子どもでなくなることではない
この内省の中に子どもの有形無形の核を保存し、不幸を背負っても自分に向き合う術を保持していくことが成熟の要件である
生まれて初めて作った短歌
来て嬉し帰ってやれやれ孫4人兵どもの夢のあと
久保田雅也