Q9 家族だけでなく、家族以外の大人にも子どもにも抱きついていきます

Q
家族だけでなく、家族以外の大人にも子どもにも抱きついていきます。 止めさせた方がいいのでしょうか?
A

小さいうちはかわいいので、大人も一緒になって付き合っていることが多いと思います。子ども同士でも嫌がることはあまりないと思いますし、それを引き離そうとは考えないと思います。

しかし、大きくなるにつれて抱きつくという行為は不適切な行動になっていきます。小学生にもなれば、子ども同士でも抱きつくと嫌がられるようになるでしょうし、体が大きくなれば「かわいい」では済まなくなります。そのため、一定の年齢を超えたら少しずつ対応を考え、少なくとも家族以外に対してはやらないようにしていく必要があると思います。

なぜ“抱きつく”のかを考えていくと、最も多い要因としてはその人と関わりたいという気持ちから抱きついていることが挙げられます。つまりそのお子さんにとっては抱きつくという行為が相手とコミュニケーションをとる一つの手段になっているということです。その場合、急に「抱きつくのはやめなさい」と言っても小さいころからずっと続けていることなので本人もなぜダメなのか理由が分からないことがあるかもしれません。対応としては、なぜ抱きつくのをやめたほうがいいのかを相手の立場から、また社会的なルールという視点から教えることが必要です。その上であいさつをする、握手やハイタッチをするなど、別のコミュニケーション手段を教え、実際に出来るように促していけると良いと思います。その新しいコミュニケーション手段によってお友達との関係がスムーズになれば、“抱きつく”という行為が自然と減っていくでしょう。

小学校高学年ぐらいのお子さんで、抱きつくまではいかなくても異性の人の髪の毛を触るなどの“接触”をしているようであれば、年齢からもう許されることではないことをしっかりと教えていくことが必要です。保護者の方が知らないところで続けていて、「まだかわいいから」と相手の人も事情を知らないために許されてしまっていることもあるので、周囲の人にも適切な対応を求めていくことが必要になるでしょう。

(心理判定員 神田 聡)

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