重症心身障害児(者)の看護

利用者様の「今」を見つめる、
重症心身障害児(者)へのケア

「重い障害をもって生きる」ということ。島田療育センターを利用されているほとんどの方は、産まれてからずっと重度の身体障害と知的障害をもって生きていらっしゃいます。その生命を見つめ、成長を見守り、気持ちよく、楽しく生きていただくようにケアすることが療育の中の看護の役割です。

一般病院とのケアの違い

一般病院でのケア

●小児から老人まで幅広い年齢層、さまざまな症状に対して、各診療科に沿った看護を行います。
急性期、回復期、慢性期、終末期など、病院によって提供する医療・看護が異なります。
急性期では多様な症例に対して、素早い対応を求められる場面が、主になることが多いです。
慢性期、終末期では冷静な判断や臨機応変さなどが求められるため、一定のスキルと経験が必要になることも。

島田療育センターでのケア

患者様ではなく、利用者様とお呼びします。
肢体不自由など重い身体障害の他、さまざまな程度の知的障害など精神遅滞、てんかんや行動障害などを合併している方々をケアし支えます。
基本的に利用者様の一生に寄り添い看護するので、ご家族と共に利用者様の人生を含めて支えるようなやりがいがあります。
1年目でも利用者様を支え、個々に適した看護ができるように育てる協力体制と環境があります。

医療・看護の提供体制

「利用者様にとって今何が必要か」を多職種とともに考え一緒にケアを行います。

看護師の1日

【1日の看護パターン例】 神崎さん/3病棟/入職1年目の場合

09:00

情報収集、申し送り、バイタルサイン測定

指示簿や記録を見て情報収集した後、夜勤勤務者から申し送りを受けます。申し送りを終えたら利用者様のもとへ行き、バイタルサイン測定や人工呼吸器の設定の確認をします。分からないことがあれば先輩方にご指導いただき、早急に解決できるよう心掛けています。

情報収集、申し送り、バイタルサイン測定
10:00

薬、注入物チェック、与薬、注入

薬や注入物に間違いがないかダブルチェックを行い、与薬・注入できるよう準備をします。その後、誤薬や誤注入がないように注意しながら実施します。

薬、注入物チェック、与薬、注(写真:小児科医師と)
11:30

お昼休憩

お昼の休憩時間は食堂で過ごしています。メニューは日替わりのお弁当。同期の看護師や療育士(介護福祉士、保育士、児童指導員等)・リハビリスタッフと話しながら楽しく過ごしています。他の職員の方もひとりでの食事や休憩をしている方は少なくて、全体的にわいわい楽しく過ごされている印象です。

お昼休憩(写真:先輩看護師、介護福祉士と)
13:45

活動、更衣、入浴介助

利用者様と一緒に活動に参加します。散歩に出掛けたりゲームをしたりと、毎日さまざまな活動を行っています。活動を楽しんだ後は、入浴介助・更衣にうつります。活動や入浴介助中でも、利用者様の動作や表情を観察しながら関わるようにしています。

活動、更衣、入浴介助(写真:小児科医師、作業療法士と)
16:15

記録、報告

ひと通り業務を終えたら記録に入ります。その後、リーダーに利用者様の体調やその日どのように過ごされたのかということを、抜けがないように注意して報告します。夜勤勤務者が出勤してきたら、薬や人工呼吸器の設定のダブルチェックを行います。

記録、報告
17:45

本日の業務終了

おつかれさまでした。

看護師の1週間

曜日

耳鼻科受診依頼を医事課に提出/ 薬剤定時請求払い出しチェック

曜日

定時の薬品・中材物品納品チェック ※第1火曜日は救急カートもチェック

曜日

配薬車の整理 / 薬品、中材物品請求

曜日

定期の薬を薬局と一緒にチェック /定期の薬処方箋の準備、サイン / 薬剤定時請求払い出しチェック

曜日

前日に準備した定期薬処方箋のダブルチェック / 薬品・中材物品納品チェック(在庫を確認し必要なら臨時請求) / 処置台薬品チェック、請求

曜日

終了した処方箋をカルテに綴じる / 包交車・処置車清掃 / 与薬車・機械棚拭き / カニューレ紐残数チェックと請求
※第1土曜は酸素チューブ・酸素マスク交換を行います。

曜日

翌週月曜から日曜の処置物品準備 / 薬品・中材物品請求 / 耳鼻科依頼書記入