島田療育センター

発達相談Q&A


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家事をしている時に、一緒に遊びたがるので、「終わったら遊んであげるから、待っていてね」と伝えるのですが、かんしゃくを起こしてしまいます。どうしたら待てるようになりますか?

 遊んであげられない場面はどのご家庭でもあると思います。そんな時にかんしゃくを起こされてしまうと、用事を済ませることもできないし、お子さんからも離れられなくてお互いイライラしてしまいますよね。しかし、お子さんの立場からすると、“待つ”という言葉が具体的にどんなことをすればいいのかわからないのかもしれません。 また“終わったら”についても、具体的にいつまでなのかわかりにくい可能性があります。

 そこで、“待つ”ことを具体的な事柄に置き換えて、例えば「絵本を読んでいてね」、「お絵かきしていてね」など、お子さんが一人でできる好きな遊びにして伝えてみましょう。簡単なお手伝いをお願いするのもいいかもしれません。 次に時間ですが、時計が読めるお子さんには、前もって、“いつまで” を具体的な時間で伝えておくのがいいでしょう。 時計が読めないお子さんには、時計にシールや矢印を貼り、「長い針がシールのところまできたら、一緒に遊ぼうね」と目で見てわかるように、時間を伝えてあげることが大切です。

 最初から長い時間待っていることは難しいので、まずは短い時間から始めて、徐々に時間を長くしていくこと、待っていられた時だけでなく、待っている間にも「一人でお絵かきできてえらいね」、「お手伝いじょうずね」とたくさん褒めてあげてましょう。
(心理判定員 菊地 文)

運動会や音楽会やその練習などの学校行事に参加することをひどく嫌がります。移動を促しても絶対に動こうとせず、更に促すと、泣いて騒いでしまいます。どうしたらいいでしょうか?

 考えられる背景には、まず見通しの持てない状況に対する不安の強さがあります。行事の期間は通常とは違う場所や時間割で行われることが多いですね。お子さんの中にはいつもと流れや場所が違うことで“これから何が起きるのか”を予測できず、とても強い不安を感じる方が多くいます。

 そのため、見通しが持ちやすいように配慮した事前の対応が大切です。例えば、『学芸会の練習があります』等の大枠ではなく、『体育館で○年生とダンスの練習をします』など具体的に伝えます。当日の日程表を用意し、行く場所や行う内容を絵や写真で示しておくと、安心して参加しやすくなるかもしれません。

 また、大きな集団に入ることや特定の音など様々な苦手さがあるお子さんは、活動の内容やその状況によってその場にいられず、参加できないこともあります。嫌がっている状況と普段の様子を合わせてどこに苦手さがあるのかを探し、例えば音が苦手なのであれば耳栓を使う等、苦手な要因がなるべく少なくなるように環境を整えてあげることが必要です。

 しかし、どうしても急に予定を変更しなければならず、事前の対応ができない場合もありますよね。その際に避けたいのは、本人が嫌がっているのに無理矢理みんなと同じ形で参加させることです。気持ちが静まるまでに時間がかかるうえ、“嫌な経験”として記憶されてしまい、その後の同様の行事への参加に支障がでる可能性があります。無理に従わせるのではなく、本人が許容できる範囲で参加させてあげることが重要です。部分的にでも「参加できた」という体験を積み、それに対して十分に周囲がほめてあげることで、少しずつ参加できる内容や時間が増えていくと良いですね。
(心理判定員 舘花 佳奈子)

体育があった日に体操服を学校から持って帰るのを忘れてしまいます。
家を出る前に何度も体操服を忘れないよう声をかけていますが、あまり効果がありません。

 忘れ物の対応は、その物を“扱う場所”・“扱うタイミング”でお子さんが思い出せるようなサポートが何より重要になります。ですから、例えば体操服袋に『体操服袋はランドセルに入れよう』などと書いたタグやカードをつけるなど、その場でお子さんが気づけるような工夫が有効です。また、学校の帰り支度の時に体操服を持ち帰ることを思い出せるよう、帰り支度をする際に必ず目にする物の目立つ部分(ランドセルのふたの裏、連絡帳の表紙など)に“持ち帰りリスト”を貼り、体操服など忘れず持ち帰る物を2〜3個リストアップするといった方法もあります。お子さんの年齢や文字の習得度によって、カードやリストに写真やイラストなども併用するとより効果的でしょう。

 こうしたご家庭での対応だけで難しい場合は、やり方が定着するまでは担任の先生に協力をお願いすることも重要です。帰りの会で「お家に持って帰る物はいくつあるかな?」といった声かけをしてもらうなど、持ち物をチェックする機会を作ってもらうことで持ち物リストをより活用しやすくなります。

 また、持ち物管理は日々の積み重ねですので“体操服を持って帰れたらカードにスタンプがもらえ、スタンプが一定量貯まったら好きなアニメのDVDが見られる”などといったお楽しみを設定すると、より楽しくお子さん自ら積極的に取り組むことができます。こうした対応は、体操服以外の持ち物でも基本的には共通です。 あまり忘れ物が続くとお子さんの学習意欲や学校場面での自己肯定感などに影響を及ぼす場合もあります。失敗が積み重ならないうちのサポートが重要です。
(心理判定員 増冨 真耶)

お友達が遊んでいる玩具を貸してほしいのに、なかなか言い出すことができません。どうしたらよいでしょうか。

 お友だちの遊んでいる玩具を、黙って見つめているお子さんがいます。この背景に、どのように伝えたら良いかわからない場合、自分の気持ちを伝えることが苦手な場合があると思います。

 まず、玩具を貸してほしいことを、お友だちにどのように伝えたら良いかわからない場合についてです。大人は、お子さんの気持ちを汲み取って、どのように言ったら良いのかを教えてあげることが大切です。この場合には、「“貸して”って言ってごらん」などと適切な言い方を教えてあげましょう。その後は、「何て言うんだっけ?」と尋ねるなど、徐々に手掛かりを減らしていき、確実に言えるようにサポートしてあげましょう。そして、お子さんがお友だちに上手に言えた時には、忘れずに褒めてあげることも大事です。

 次に、お友だちへの伝え方がわかっていても、自分の気持ちを伝えることが苦手な場合についてです。この場合には、最初は大人が一緒に言ってみると良いと思います。また、大人がお友だちの役になり、「貸して」と言う練習をすることも一つの方法です。大人と練習して、スムーズに言えるようになったら、実際にお友だちに言う機会を設けて、大人が手伝いながら言えるようになると良いと思います。大人が手伝いながらでも、お子さんが言えた場合には、言えたことを大いに褒めてあげましょう。自信がないためにお友だちに気持ちを伝えることが苦手なお子さんも、大人が手伝いながら「言えた!」という成功体験を積み重ねることが大切です。
(心理判定員 中村 ひろみ)

発音がはっきりせず、言ってることがお友達に伝わりません。どうしたらいいでしょうか。

 幼児期は言葉が急速に身に付く時期ですが、大人と同じ発音になるのは小学校入学前後が目処です。それまでは特に一人一人の発達のペースも大きく違うので、個人差を充分に考慮し、見守る必要があります。

 子どもの言葉はゆっくり最後まで聞き、間違った発音でも言い直させず、正しい発音のお手本を示してあげることが大切です。お友達とのやり取りで困っている時は、そばにいる大人が「○○ちゃんが△△△って言ってるよ。」と子ども同士の橋渡しをしてあげてください。また、個々のお子さんの発達ペースや得意―不得意の違いを周囲の大人が温かく見守っている態度が、子ども同士の仲間の認め合いにもいい影響を及ぼします。

 お家でできる取り組みとしては、紙や軽いおもちゃをフーッと吹いて息で動かす、ストローでお水をブクブクする、アイススティックをくわえて口の周りの筋肉の緊張を高める、口の周りに生クリーム等を付けて舌で舐めるなど、息を強く吐くこと、口の周りを動かすこと、舌を動かすことなどをゲーム感覚で練習するといいですね。話す時に身振りも使って伝えること、運動遊びで思いきり笑い、大きな笑い声を出すこともやってみてください。

 発音の不明瞭さと共に運動や手の使い方が不器用かな、言葉の理解力もゆっくりかな、と感じる場合や5 歳過ぎで不明瞭さが心配な場合には地域の健康センター・保健センターの子育て相談や療育センターなどにお電話・相談されることをお勧めします。
(心理判定員 鈴木 清子)

集団活動の場面に入れないお子さんがいます。
どのように対応したら良いでしょうか?

 初めての集団で、部屋に入れずお母様にしがみついているお子さんがよくいます。ここで何をするのか、が全くわからないのですから不安なのは当然のことですね。そんなお子さんには少し離れた所でしばらく活動の様子を見てもらいましょう。流れがわかってくると参加出来ることがあります。また、いつでも入れるよう、集団の中にお子さんの場所(席など)を作っておくことも大切です。活動内容への不安が高い場合は、負担の少ない活動から「貼るだけやってみようか」と部分的な参加を誘ってみましょう。お子さんも参加したい気持ちはあります。参加出来なかったことが自信喪失へと繋がらないよう、何らかの形で「参加」を経験させてあげたいものです。

 もう一つ、困っていても助けを求められず活動から外れてしまっているお子さんもいます。そんなお子さんに声をかけ、困り事を聞くのはとても大切です。しかし、それだけでは気付く大人がいなければお子さんはずっと困ったままで過ごすことになります。もしリーダーの先生が他にいるのであれば「『○○先生、ボクはどこに行くんですか?』って聞いてみよう」とか、お友だちに「『△△ちゃん、教えて』って言ってみよう」など、質問の仕方・助けの求め方も教え、お子さん自身で聞けるような機会を作ってください。お子さんも自分の言葉で伝えて解決出来た、ということが経験出来れば大きな自信となり、次に繋げていけます。
 お子さんが困っている場面は、困りの原因や対策を考える貴重な機会でもあります。いろいろ試しながらお子さんと一緒に「できた!」の経験を増やしていきましょう。
(心理判定員 若松 育子)

買い物に行く度に欲しい物の前で駄々をこねるので困ります。
どうすれば良いですか?

 子どもは一度でも駄々をこねて欲しい物を買って貰ったりしてしまうと、「また駄々をこねれば買って貰えるんじゃないか」と思いこんでしまいがちです。ですから、『駄々をこねても絶対に欲しい物は手に入らない』ことを子どもに教えなくてはいけません。 実際の場面で駄々をこねてしまったら、まずは欲しい物のある場所から子どもを速やかに離すようにします。目の前に欲しい物があれば子どもはそれを欲して、ますますひどい癇癪を起こしてしまうことがあるからです。

 次に、欲しい物のある場所から離した後は、子どもに話しかけたりせずに気持ちを落ち着かせるようにします。最後に、気持ちが落ち着いたら、『どうすれば欲しい物が買って貰えるか』を教えてあげます。 買い物に行く度に欲しい物を買い与えていたら大変ですよね。ですから、買い物に行く前に「今日は欲しい物を一つだけ買ってあげるね」「今日は欲しい物は買えないけど、明日は買ってあげるね」などといった見通しを与えるようにしましょう。また、普段から「毎週〜曜日に欲しい物を買ってあげるね」とカレンダーに印をつけるなど、視覚に訴えたりルール化するとより見通しが得やすくなります。子どもが見通しやルールを理解できるようになれば、次第に駄々をこねる行為は減ってくるはずです。
(心理判定員 山本 秀二)

いよいよもうすぐ1年生。就学にむけて、子どもに何を身につけさせたらよいでしょうか?

 梅の花に遠くない春を感じるこの時期、年長の子どもたちがとまどうことなく4月からの新しい小学校生活をスタートできるようにと願うのは、ご家族や園の先生方に共通する思いです。なかには、「授業中ずっと座っていられるようにならないと」「1人で朝のお支度ができるようにならないと」とお考えの方もいるかもしれません。  けれども、発達のステップを数段抜かしでのぼることはできません。むしろ、子どもへの要求水準を急に高くすることは、子どもにも大人にも負担を強いることになりかねません。どのお子さんも、長い集団生活の中で、確実に一段ずつのステップを積み重ね、成長されてきたのではないでしょうか。小学校に行っても、その歩みは続いていきます。ですから、子どもがもう少しで身につけられること、その子の発達にとって次のステップとなることを見つけ、あせらず取り組んでいきましょう。

 むしろこの時期大切なのは、一人一人の子どもの得意なところとまだ練習中のところを把握し、「時計の針で予告してあげれば遊びから切り替えられる」「困ったことがあったら先生に助けを求めるよう練習している」など有効な手助けの方法を再確認すること。園の先生や療育担当者と、「就学支援シート」や、子どもの様子や配慮の必要な点をまとめた「サポートブック」などのツールを使って振り返ってみてもよいでしょう。

 もし、何かを身につけさせてあげるとしたら…「お友だちとたくさん遊べてよかったな!」「先生にいろんな遊びや工作を教えてもらってよかったな!」「小学校に行っても楽しく勉強したいな!」と子ども自身が達成感をもって卒園できること、つまり『自信』『意欲』を身につけさせてあげられれば何よりだと思います。
(心理判定員 眞田 恵)

こだわりが強く困っています。洋服は車の絵が描かれた物しか着ません。スーパーに行く時には必ず同じ道を通りたがります。どうしたらいいでしょうか?

 広汎性発達障害・自閉症のお子さんの中には、「いつもと同じじゃなきゃイヤ」という「こだわり」といわれるような行動が見られる方がいます。いつもと同じ物を身につけたり、いつもと同じ手順が行われることで「いつもと同じだから、怖くない。大丈夫」と安心できるのです。ですから、まずはその行動が本当にご本人や周囲の不利益になっているのかを確認してみてください。もしも、ご本人の生活や活動の妨げになったり、周囲の人の迷惑になっていないのであれば、ご本人の気持ちの安定のためにも受けとめてあげてほしいと思います。

 ですが、「こだわり」が本人や周囲の不利益になったり、どうしても受け入れられない場合もあります。そんな時は「いつならいいのか」「どこならいいのか」など時間帯や場所を限定したり、似たような行動で受け入れられる行動に変えたりすることから始めてみましょう。どうしても車の絵のついた洋服ではいけない用事がある日もありますよね。そうしたときは、下着や靴下など目立たないところに車の絵があるなど、お互いに納得できるような方法を考えられるといいですね。

 いろいろ工夫してもどうしてもこだわり行動が強く、ご本人も周囲の人も疲れ切ってしまうようなときもあると思います。そうしたときには、地域の相談機関や医療・専門機関に相談してみてください。支援する側も「こだわり」にこだわらず、楽しみながら少しずつ興味や活動の幅を広げていけるといいですね。
(心理判定員 清水 宏子)

気に入らないことがあると、お友だちのことを叩いてしまいます。どのように対応すれば叩かなくなるでしょうか?

 お友だちの使っているおもちゃが欲しい、お友だちの話し声がうるさいので静かにしてもらいたい。"叩いてしまう"という行動は同じでも、その子の気持ちは状況によって様々です。まずは、子どもの気持ちに寄り添って、何がしたかったのか、何が嫌だったのかを考えることから始めましょう。お友だちのことを叩いてしまう子の場合、上手に気持ちを伝えられないことが多く見られます。もしそうならば、叩く代わりにどうすればよいのかを、具体的に教えることが大切です。たとえば、お友だちのおもちゃが欲しい場合、叩いて取るのではなく、『貸して』と言って借りることを大人と一緒に練習します。そして、うまくいったときには、きちんとほめてあげます。始めは、大人が一緒に言ったり、『何て言うの?』など手伝ったりすることも必要かもしれませんが、ほめられる経験や希望がかなう経験を積み重ねることで、叩いてしまうことが減り、適切に関わることができるようになると思います。

 また、周囲の環境を整えたり、大人が配慮することで"叩いてしまう"行動を減らせることもあります。たとえば、特定のお友だちに対して叩いてしまうことが多いようであれば、そのお友だちと席を離し接触機会を減らすことで、"叩いてしまう"ことは減ります。また、どのような場面で"叩いてしまう"のかをきちんと知ることで、事前に止めることもできます。

 "叩いてしまう"子は、決して意地悪をしているわけではありません。強く叱るのではなく、行動の背景にある気持ちを理解しながらサポートしてあげてください。
(心理判定員 正治 幸恵)

幼稚園・保育園でスケジュールの変更があると気持ちを切り替えることが難しく、なかなか代わりの活動に取り組むことができません。どう対応してもらえばよいのでしょうか。

 突発的な変化はお子さんを不安な気持ちにさせるものです。そのため、あらかじめスケジュールを伝えて、先の見通しを持たせてあげることはお子さんが落ち着いて行動するために大切なことですよね。具体的には、スケジュールボードや週間予定表など視覚的な手掛かりを用いると、より見通しを持ちやすくなると思います。

 また、スケジュールの変更が分かった際には、できるだけ早めにお子さんに伝えてあげましょう。直前に伝えてしまうと、気持ちを切り替えるまでに時間がかかってしまい、代わりの活動に参加しにくくなってしまいます。スケジュールカードもマグネットなどを利用しながら、急な変更があった際にもすぐに入れ替えられるようにするとスケジュールの変更が分かりやすく、お子さんも予定の変更を受け入れる心構えができるのではないでしょうか。

 最後に、一番大切なことは気持ちを切り替えられたことや代わりの活動に取り組めたことを大いに褒めてあげることです。幼稚園・保育園といった社会生活を送る中で、スケジュール通りには進まないことは多くあると思いますので、少しずつ慣れていけるよう練習していくことが必要です。
(心理判定員 村岡 洋子)

きちんとトイレを覚えたのですが、最近おもらしが多く見られます。

 どんな所でもトイレを使えることは、お子さんの生活の幅を広げる上で必要であることは言うまでもありません。まずはおもらしが起きるようになった時期のことを思い出してみて下さい。どのような要因がおもらしと関係しているのかを考えてみましょう。

 入れるトイレと入れないトイレがありませんか?入れないトイレがあることで、おもらしが誘発される可能性があります。入れるトイレと比べて、薄暗かったり、便座が冷たかったり、ジェットタオルの音がうるさいといったことがあるかもしれません。それらの嫌な刺激を除いてあげる工夫をしてみましょう。

 次に、家庭環境の変化によるものや、園、学校などでのストレスや不安の増大など、心因的な要因が挙げられます。学校行事やクラス替えのほか、お母さんの精神衛生の不良なども子どもに影響し、おもらしに繋がってしまうことがあります。まずは、本人の気持ちをしっかりと受け止めてあげること、その上でストレスの要因を除去していくことが大切となります。一度できていたことができなくなってしまうと、とても心配になりますよね。ついイライラして叱ってしまったり、がっかりしてしまうこともあるでしょう。しかし、そのような否定的な気持ちで対応すると、ますますおもらしの頻度が増えてしまうこともあります。焦らずゆっくりと解決していこうとする姿勢が大切です。出そうな時間にさりげなく誘うなど、うまくできるきっかけを作ってあげることも良いと思います。なおなかなか事態が好転しない場合は身体的なことが影響していることもあるので、お医者さんに相談してみても良いでしょう。
(心理判定員 川井 麻理子)

家族だけでなく、家族以外の大人にも子どもにも抱きついていきます。
止めさせた方がいいのでしょうか?

 小さいうちはかわいいので、大人も一緒になって付き合っていることが多いと思います。子ども同士でも嫌がることはあまりないと思いますし、それを引き離そうとは考えないと思います。しかし、大きくなるにつれて抱きつくという行為は不適切な行動になっていきます。小学生にもなれば、子ども同士でも抱きつくと嫌がられるようになるでしょうし、体が大きくなれば「かわいい」では済まなくなります。そのため、一定の年齢を超えたら少しずつ対応を考え、少なくとも家族以外に対してはやらないようにしていく必要があると思います。

 なぜ“抱きつく”のかを考えていくと、最も多い要因としてはその人と関わりたいという気持ちから抱きついていることが挙げられます。つまりそのお子さんにとっては抱きつくという行為が相手とコミュニケーションをとる一つの手段になっているということです。その場合、急に「抱きつくのはやめなさい」と言っても小さいころからずっと続けていることなので本人もなぜダメなのか理由が分からないことがあるかもしれません。対応としては、なぜ抱きつくのをやめたほうがいいのかを相手の立場から、また社会的なルールという視点から教えることが必要です。その上であいさつをする、握手やハイタッチをするなど、別のコミュニケーション手段を教え、実際に出来るように促していけると良いと思います。その新しいコミュニケーション手段によってお友達との関係がスムーズになれば、“抱きつく”という行為が自然と減っていくでしょう。

 小学校高学年ぐらいのお子さんで、抱きつくまではいかなくても異性の人の髪の毛を触るなどの“接触”をしているようであれば、年齢からもう許されることではないことをしっかりと教えていくことが必要です。保護者の方が知らないところで続けていて、「まだかわいいから」と相手の人も事情を知らないために許されてしまっていることもあるので、周囲の人にも適切な対応を求めていくことが必要になるでしょう。
(心理判定員 神田 聡)

何度教えても同じ間違いを繰り返します。どうしたらいいですか?

 同じ間違いを繰り返すのは、何が正しいのか、何が間違っているのか、といったことがわからず混乱しているのかもしれません。どんなところでつまずいているのか探って、対応方法を考えてみてください。

 まず、今までの教え方はどうでしょうか?やることが難しすぎることはありませんか?一見わかりそうなことでも、難しいことを目の前にしていると理解しにくくなっているかもしれません。口で教えるだけでなく、絵や図にするなどして、教え方を工夫してみるといいでしょう。また、取り組んでいる様子をよく観察してみて、できそうなことなのか確認してみてください。難しいようであれば、できそうなところからスタートして、少しずつできるところを増やしてくといいでしょう。

 つぎに、間違いをするときはどんな時でしょうか?気が散りやすい環境になっていないでしょうか?近くでテレビがついていたりすると、気が散ってやることに集中できずに間違えてしまうことがあるかもしれません。間違いをしやすい環境になっていないか見直して、集中しやすい環境になるように工夫してみるといいでしょう。


 また、意図的に間違えて周りの人の反応を見ているかもしれません。こういうときは過度に反応しすぎず、簡潔にやるべきことを伝えましょう。こういった場面では周りの人もイライラしやすいですが、感情的にならないように根気よく対応していってください。
(心理判定員 小池 晶子)

着替えがうまくできません。何かよい方法があったら教えてください。

 着替えは毎日のことなので、目につくことも多く、気になってしまいますよね。まずは、着替えの中でもどこがうまくいかないのか、観察してみることが大切です。

 着替えがうまくいかない原因は、いくつか考えられます。1 つ目に、着替えのときの周りの環境です。周りに玩具が置いてあったり、TVがついたままになっていませんか?気の散る物が周りにあるとそちらに注意が移ってしまいます。TVを消して玩具がない場所で着替えましょう。場所を移せなければ、大きめのタオルで覆うだけで目に入らなくなります。

 2 つ目に、手先がうまく使えない、手元を見ていないことが考えられます。頭からかぶるタイプでは、腕と頭を入れる場所がわかるようにいつも同じ向きで置いてください。ボタンがあるものは、始めのいくつかはお母さんがかけ、最後の1 つだけお子さんにやらせる。できるようになったら2 つにするというように、徐々に手伝う度合いを減らしていきましょう。


 3 つ目に、着替えの一連の流れがわからずに、一つ一つはできるけど途中で注意が逸れてしまうことが考えられます。順番がわかりやすいように洋服を並べ、次に何をするのかを伝えていくことが大事です。ことばだけでなく、絵や写真を用意して目で見てわかるようにするのも良い方法だと思います。


 そして、少しでもできたときには十分に褒めるようにしてください。身の回りのことが一人でできるようになることは、お子さんにとっても自信につながります。見通しを持って取り組めるように、まずは丁寧に観察してみてください。
(心理判定員 保坂 真子)

遊んでいる時に、「片付けようか」と声をかけると、泣いて暴れます。何かよい方法はありますか?

 楽しいことをしているときに、それを終わりにしなければいけないというのは、大人でも子どもでも辛いものです。気持ちを切り換えるためには、時間的な見通しと余裕が必要です。

 まずは、おもちゃや遊び場が見える前に『いつまで遊んでよいのか』を伝えておきましょう。声かけだけでは忘れてしまうお子さんも多いので、時計やカード、キッチンタイマーなど目や耳で確認できるものを補助として使うと便利です。

 次に、「片づけよう」の声かけや合図をしてから行動をはじめるまでには5〜10 分位はかかると考えて、予め、余裕をもって片付けの時間を設定しましょう。片付けに取りかかることが難しいお子さんの場合には、大人も一緒に片付けながらお手本を示し、最後のひとつはお子さんに入れてもらうなど、急かしたり、叱ったりする前に、できそうな行動がでやすい状況を作り、できたらしっかりと褒めてあげるところから、練習しましょう。

 しかし、どんなに大人がいろいろ対策を練っても気持ちが切り換えられない場合もあると思います。そんな時は、お子さんの要求に負けずに、次にやることを声かけしつつ、予定通りに進めてしまいましょう。そうして、お子さんが落ち着いたら、「○○もっとやりたかったね。でも、がんばって我慢したんだね、えらいね!」といっぱい褒めてあげてください。

 成功のポイントは、お子さんがわかる方法で伝えていくための工夫と、できることをやらせてあげて褒められる経験をたくさん積んでいくことです。大人も「これならいけるかな?」と楽しみながら工夫をしてみてください。
(心理判定員 木 聡子)

人が話している途中でも、突然一方的に話し出してしまいます。どうしたらよいでしょうか?

 突然話し出したり、一方的に話してしまう要因としては、
(1)気になったり言いたいことがあると待ったり我慢することができない、(2)話を聞く時のルールを知らなかったり身についていない、といったことが考えられます。(1)については、話の終わる見通しをもたせてあげることがよいと思われます。「これから〜の話をします」と声をかけたり、話し終わる時間やいくつ話をするかを予め伝えるといつまで待てばよいかが分かり、我慢しやすくなると思います。(2)については、「話したいときは手を挙げる」などのルールを明確に決めておくことがよいでしょう。また、話しをしていい時・いけない時を教えることもよいと思います。上手にできた時はきちんと注目してあげることも心がけてください。「こうすれば話をきいてもらえるんだ」といった経験を重ねていくことが大切です。教室などではルールをいつでも確認できるように、よく見えるところに張っておくなどの工夫があると意識しやすくなるのではないでしょうか。

 また、おしゃべりを我慢できないお子さんは、注意されたり怒られてしまうことがあるかもしれません。よって、待てたことをきちんと褒めることが大切です。話したい気持ちを受け止めてあげることも大切なので、後でゆっくり話を聞く時間を設けるなど、安心して話せる場を保障してあげましょう。
(心理判定員 川井 麻理子)

机や棚の上に登ってしまい、何度注意しても繰り返してしまいます。どのように対応したらいいでしょうか?

 机や棚に登ってしまう要因は、いろいろなことが考えられます。 まず1つ目は、「机や棚に登ることが楽しく、遊びたい」という気持ちがあることです。この場合、必要のない机や棚を片付けるような環境を整える工夫が必要です。幼稚園・保育園や学校等では、それがいけないことを伝えて他の楽しい遊びを見つけたり、机や棚の代わりに安全に遊べるものを用意したりしてあげましょう。

 2つ目に、机や棚に登ることで「周囲の人が自分に関わってくれるはず」という気持ちでやっていることが考えられます。周囲の人がそれに反応し続けていると、同じ行動が繰り返されていきますから、机や棚に登っていないときにきちんと注目してあげることや、適切な注目の引き方を具体的に教えていくことが大切です。

 3つ目として、「課題をやりたくない時や何もすることがない時に、机や棚に登る」という可能性が考えられます。この場合、課題をやりたくないと伝える適切なコミュニケーション行動を教えたり、簡単な課題やお子さんが好む課題を用意したりしてあげましょう。

 お子さんの行動にどんな目的があるのか考えて、その行動に代わる正しい行動が増えていくようにしてみてください。
(心理判定員 小池 晶子)

食べ物の好き嫌いがひどくて心配です。

 発達障害のあるお子さん、特に広汎性発達障害(PDD)のお子さんのご心配によく“偏食”があります。PDD の特性のひとつとして感覚の過敏性があり、他の人にとっては何でもない音や感触だとしても、それが非常に不快に感じられることがあります。その特色が味覚の敏感さや鈍感さに現れることで好き嫌いに大きな影響が出ます。また、食べ物を口の中に入れた時に痛く感じたり、異物のように感じたりすることで、不快に感じてしまうことがあるようです。他にも匂いや見た目も重要です。

 感覚の問題以外にも原因は考えられますが、どの場合でも無理に食べさせることは避けた方がよいでしょう。食事すること自体が嫌になってしまうかもしれません。偏食への対応としては、まずは食べることを好きになってもらうことが大切です。体重が極端に減っていたり、栄養が偏って体調が悪くなったりしなければ無理はせず、長い目で食べられるものを少しずつ増やしていくようにしましょう。また、偏食をなくすように指導することは親子ともに多大なエネルギーがいることだと思います。そのために普段の生活に良くない影響がでてしまっては元も子もありません。まずは普段の生活の安定をはかり、食事の指導は精神的に余裕がある時、リラックス出来ている時に取り組めると良いでしょう。
(心理判定員 神田 聡)

買い物先でじっとしていられず、店内を走り回ってしまいます。何かよい方法がありますか?

 スーパーやデパートは魅力的な物がたくさん並べられており、音が流れていて人も多くいるため、刺激の多い環境です。買い物先でじっとしていられない原因として、まず

 1つ目に、本人の行きたい場所や見たい物があることが考えられます。この場合は、買い物が終わったら好きな場所へ行くことや順番を提示するなど予め約束してから出かけます。そして、買い物が終わったら、必ず行きたい場所へ行くようにします。

 2つ目として、その場所が、嫌いな音がするなど居心地が悪くてその場から離れたい場合が考えられます。この場合は、場所に慣れていけるように、初めは買う物を少なくして居る時間を短くし、少しずつ場所に慣れていけるように練習しましょう。

 3つ目として、走り回ることでお母さんを困らせて注目を得たい場合も考えられます。お手伝いなど、走る以外の適切な注目の引き方を新たに伝えていきましょう。かごやカート持ってもらう、字が読めるようであれば、買い物リストを渡して一緒に商品を選んでもらうのもよいかもしれません。

 お子さんのじっとしていられない様子から、まずはその原因について考えてみましょう。そして、どの場合も、できたときには必ず褒めるようにしてください。おやつなど好きな物をご褒美として買ってあげても良いでしょう。すぐに成果が出ないかもしれませんが、練習してできた経験を積み重ねていくことで、必ず身に付いていきます。少しの工夫から始めてみてください。
(心理判定員 保坂 真子)

友達とのゲーム中、ルールを守らないでケンカになってしまったり、負けそうになるとゲームをやめてしまったりします。どうしたらよいでしょうか?

これらの問題の原因として、
(1)ルールが理解できない
(2)気持ちを抑える力が足りない
などが考えられます。

 (1)の問題に対しては、言葉だけの説明で理解できない様子なら、絵や写真などでルールを目からも確認できるようにする、大人がモデルを示す、事前に練習する時間を作るなど、少しだけ補助をいれてあげることで、理解しやすくなる様子がよく見られます。

 (2)については、ゲームを始める前に「途中でゲームをやめちゃうのはどうかな?」と確認し、お約束することが有効な場合があります。そうして負けた時、本人が気持ちを言語化できなければ「負けて悔しかったね」と大人が代弁し、同時に約束を守ってやめずにがんばれたことをいっぱい褒めてあげましょう。

 我慢ができなくてけんかになり、話をしてもきけないような状態になってしまったら、少し離れた場所で落ち着くのを待ち、落ち着いたら、行動を責める前に『負けて悔しかった気持ち』を十分に受けとめてあげる事が大切です。その後で『どうしていけなかったのか・どうすればよかったのか』をゆっくり短い言葉でお話してあげるとよいと思います。

 実際の場面では、すぐに問題が解決するということは難しいかもしれません。できたらすかさず褒め、根気よく子どもに付き合い徐々にステップアップできるよう、大人がサポートしていくことが必要です。
(心理判定員 松浦 聡子)

(最終更新日 平成24年3月13日)